仕事の効率を上げるヒントになればと思い読んだ本。
304 ページ、平均読書時間は 3 時間 41 分の本で、自分の場合は 3 時間半くらい。
全体的な感想
58 個の仕事に役立つハックが載っている。うち 1 個は別途 RDF をダウンロードする必要があり、本の中では 57 個が述べられている。各ハックの冒頭によくありがちな課題の例が添えられているが、まさに自分の課題としても当てはまると感じるものが多い。それぞれのハックは、なんとなく実践していたり、他の本で読んだこととがある気がするものが多く、ものすごく新しいものは少なかったように思う。OLP を言い換えたものだなと思うものも多く、OLP はすごいなと改めて思った。58 個もあると覚えられないが、16 個だったらギリギリ覚えられる。
3 つのポイントに要約
- 当事者意識を持ち、主体的に動くことで、思考力が高まり、コントローラブルなことが増える。
- どうせ正解はないので、不安に思っても意味はなく、やってみて経験をするべき。
- 情報が簡単に手に時代では、情報は武器にならないので、簡単には鍛えられない思考力や経験が武器になる。
気になった部分の引用
Hack 01 能動的な時間 → 主体的な時間
できるだけ「他人に振り回される時間」を減らし、「自分でコントロールできる主体的な時間」を増やさなければなりません。
ちきりん氏が、アンコントローラブルなことに悩んでも仕方がないので、コントローラブルなことに注力すべきと行っていたが、それと少し似ている。ここでは、主体的に動くことで、コントロール可能なことが増えるというハックで、そのためには当事者意識が大事だと書かれている。これは OLP でいう Ownership のこと。
Hack 04 悩む → 決める
どのような判断も、結局は「やってみなければわからない」のですから、必要最低限の情報が収集できたら早めに判断・行動するクセをつけることが重要です。
あらゆるビジネスは、過去ではなく未来に向けてなされます。だとすれば「判断する前」に正解が決まっているわけではなく「判断した後」にどう動くかで、正解になるかどうかが決まるのです。
正解などわからないので、悩んでも仕方がないことは本の中で繰り返し主張されていた。OLP でいうと Bias for Action 。そして悩まずに、一度決めたらやりきるということも一緒に述べられていて、これは Have Backbone; Disagree and Commit 。
Hack 06 進め方 → 背景
したがって、上司から頼み事をされたときは、部下であるあなたの側から「その頼まれ事が生じた、そもそもの背景」を確認する習慣をつけましょう。
これは OLP でいう Customer Obsession で、真のニーズを考えるというのは実践しようとしている、はず。
Hack 18 説明する → 質問する
多くのビジネスパーソンは「わかってもらいたい」「理解してもらいたい」という気持ちが強すぎて、「つい話しすぎてしまう」というミスを犯しがちです。
人は、質問されると瞬時に「思考のスイッチ」が入ります。したがって、質問する側は適切な質問を投げかけることで、あたかも相手の頭の中を遠隔操作するかのように思考のスイッチを入れ、情報を引き出すことが可能になります。
お客様に説明をする機会を多くあるが、一生懸命説明してしまいがち。質問によって相手の頭の中を操作するというのは、難易度は高そうだが、なるほどと思った。
Hack 28 充実させる → シンプルにする
当事者意識が強ければ強いほど、読み手の立場から見た客観的なものの見方ができなくなり、資料の分量が多くなってしまいがちです。資料の作成者はたいていの場合、案件の当事者ですから、内容について誰よりも深く考え理解しているため、つい自分が持っているありったけの情報を詰め込んでしまう傾向があります。
読み手の時間を奪わない、シンプルで無駄のない資料をつくることができれば、資料作成の時間を短くできるだけでなく、読み手の読み込む時間も減らすことができるので、資料作成の生産性は劇的に向上します。
これはとても思い当たるところがある。よかれと思って詰め込んでしまっているが、読み手の時間を奪っているという意識を持っていなかった。
Hack 37 インプット → アウトプット
インプットは失敗がなく、「やった気」にもなれるため、勉強熱心な人には心地よく感じられるはずです。しかし、それがアウトプットにつながらないなら、成果を生み出すことはできず、学びの生産性は低いままです。
まさに資格取得とか好きであり、耳が痛い。
Hack 41 知識 → 経験
まずは打席に立つ必要があります。そして打席に立つ頻度が多ければ多いほど、数多くの「ヒットを打つための勘所」が蓄積されていき、財産になっていくはずです。
たとえば、あなたが「社内の大きなプロジェクト」を任されたとしましょう。最も致命的な失敗は「プロジェクトが途中で頓挫してしまう」ことですが、だからといって、会社が倒産するわけでもなければ、誰かが死ぬわけでもありません。
打席に立って、経験を積む必要がある。勇気が必要だが、よくよく考えてみれば、失敗したって誰かが死ぬわけでもないと言われば確かにその通りで、勇気がもらえる。
Hack 48 正解にこだわる → 仮説で走る
このようなときは「この世の中に〝正解〟など存在しない。未来に向けた〝可能性〟があるだけ」と考えてみてください。「どこかに正解がある」という固定観念はさまざまな弊害を生み出してしまいます。
どうせ正解などないのだから、悩んでもしょうがないというのはこれも勇気がもらえる。ちょうど慣れない工数見積もりをやっていて、自分の見積もりが妥当なのか分からずいろんな人に相談してきたりしていた。人に答えを聞くというのは自分で考えることを放棄する主体性のない行為とも書かれていて、確かにそうだと思った。