読書メモ: このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

3 年前、現職に転職する前に読んだ本。最近、元同僚と転職について話をする機会があり、その際にこの本をおすすめしたので、自分でも改めて読み直してみた。

全体的な感想

小説ふうに書かれており、この形式は賛否あると思うが、読みやすい。軽く読み始めてみたら、前回呼んだ内容は忘れているので、純粋に物語の続きが気になり最後まで読んでしまった。最初に呼んだときに一番印象に残っているのは、取り柄のない人ほど、どの業界で働くのかというポジションニングが重要である、という内容であったが、やはりそうだった。

3 つに要約

  • マーケットバリューは「技術資産」「人的資産」「業界の生産性」できまる。このうち、取り柄のない普通の人ほど、どこで働くかというポジショニングが大事。
  • 仕事にはライフサイクルがあるので、強みが死ぬ前に、伸びる市場にビボットするべき。
  • 99% の人間はやりたいことなんてない being 型の人間であり、being 型の人間にとって重要なのは、今いる場所がに対して自分が適度な強さであるかと、適度な緊張と緩和のバランス。

気になった部分の引用

「そうだ、きみのような普通の人間こそ、『経験』で勝負すべきなんだよ。というのも、マーケティングやプログラミングといった『専門性』で上り詰めるには、明らかにセンスが必要だ。それは若い頃の環境や、与えられた才能に大きく影響を受ける。しかし、『経験』は、どこを選ぶかというポジショニングの問題だ。ポジショニングは、思考法で解決できる。きみのような普通の人間こそ、どこで戦うのか、つまり『経験』で勝負すべきなんだよ」

ここは少し読み違えていて、どの業界で働くのかというポジショニングではなくて、「技術資産」を「専門性」と「経験」にわけた上での「経験」の話だった。

技術資産も人的資産もない場合は、「生産性が高い産業」か「エスカレーターが上をも向いている産業」を選べ

しかし、「業界の生産性」のところでも、このように述べていて、業界選びが大事だと分かる。自分の場合でいうと IT 業界というのは簡単に変えられないが、IT 業界の中でも伸びている会社で働くべきであると理解した。

「そもそも、ピボットとは企業経営で使われる言葉で、方向転換や、路線を変えるという意味だ。たとえば、Aという事業を立ち上げたものの、うまくいかなかったので、事業Bにピボットする、こういう風に使う。キャリアの文脈でいうと、自分の強みに軸足を残しながら、もう片足を今後強くなる部分に少しずつ、ずらしていくという考えだ。たとえるなら、サーフィンのようなものだ。次から次へと波がくる。その波をとらえ、波が消えそうになる前に、次の波に移っていく。これが一生食べていくための最強の方法論だ」

これもとても痛感するところである。前職で担当していた製品はコモディティとなり、その製品に詳しくても価値がなくなってしまった。今の会社についても、その競争力が落ちるようであれば居場所を変えなければならない。また、製品の競争力とは関係のない、普遍的なスキルを身に付けるべきであるとも感じる。

「まず、前提として理解しておくべきことがある。『働きやすさ』は極めて重要だが、マーケットバリューと相反するものではない。むしろ、長期的には一致することが多い。マーケットバリューが高い人が集まる会社のほうが、長い目で見ると、働きやすい」

いい人が集まる会社、変な人がいない会社は働きやすい会社である。

being 型の人間にとって、好きなことは、見つけるものではない。見失うものなのだ。

これはかなりドキッとした部分で、確かに、昔は熱中できることがあったが、それらはどんどん失われ、今では熱中できることがなくなった。

自分に「ラベル」を貼り、コモディティから脱出せよ

幸運にも今はこれができている。世の中的に自分は Kubernetes に詳しい方でもないが、今の部署では他に詳しい人がいないので、Kubernetes に詳しい人と認識してもらっていて、それで仕事がもらえている。