読書メモ: 新版 人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。 20代で身につけたい本の読み方88

先日読んだ本でおすすめされていた本のひとつ。読書術系の本で共通して書かれている「同じジャンルの本を複数まとめて読むとよい」という原則にしたがって、読書術系の本を読んでいるシリーズ。

233 ページで平均読書時間は 2 時間 26 分の本。自分の場合は 3 時間半くらい(3 日間)。

全体的な感想

これまでの読書術は、著者がある程度努力して勉強の為に読書をしており、そのノウハウという感じがあったが、この本の著者は純粋に本が大好きであり、その分読書そのものを楽しむことに重点を置いているように感じた。読書のテクニックのような内容は少なめで、読書をするとどんなによいかがたくさん書いてある。タイトルに 88 とあるように 88 項目が並べられているため、ひとつひとつは読みやすいし納得するものの、平坦で読みづらくも感じた。

確かに、これまで自分はあまり本を読んでいないが、それでも少ない読んだ本の中に人生に具体的によい意味で大きな影響を与えたと思う本がいくつかある。もっと本を読んでいれば、もっとよい影響を受けていたかも知れない。せっかくなので思いついたものをリストにしておくと以下。

この本の中でもカテゴリ毎におすすめの本があげられているので、今後の読書の参考にできる。

3 つに要約

(88 項目が平坦に書かれているために、著者の主張を 3 つに絞るのがなかなか難しい)

  1. そもそも読書は好きでするものであり、書店で立ち読みしていたら興奮して手が震えてしまうようなものが本当の読書である。
  2. 本は多大な労力をかけて著者の経験を凝縮して格安で提供してくれているもの。謙虚に、当事者を持って読書をしてそこから気づきを得よう。
  3. 本を読むかどうかで、とてつもない差が生まれる。成功者は本を読んでいる。

気になった部分の引用

読んでいる最中に眠くなってきたら嘘の読書です。徹夜明けなのに目が冴えるのが正しい読書です。書店で立ち読みしていたら興奮で本を持つ手がわなわなと震えてきます。まだ買っていないのに涙で本が滲んでしまいます。読み終えて気がついたらレジに向かっています。

実際著者はこういう体験を読書でしており、読書が大好きなんだろうと感じる一節。自分はこのような体験はほとんどしたことがない。

まずはたくさん言葉のシャワーを浴びる。言葉によってしか、人はタフになれない。

「言葉のシャワー」という表現が、「遅読家のための読書術」に書いてあった、「フローとして音楽を聴くように本を読む」というのと少し似ていると感じた。

分厚い企画書に面白い企画は1つもなかったのです。面白い企画はいつも薄い企画書でした。実際には分厚くて文字がビッシリの企画書は、読み飛ばされていることがほとんどです。分厚さというのは自己満足であり、自信のなさの裏返しだったのです。

著者にとっても、分厚くて文字がビッシリの本を書くのは責任逃れができて楽チンです。「◯◯だ」と言い切らずに、「◯◯かもしれないし、△△かもしれない。みんなそれぞれが正しい」と責任逃れをすれば、すぐに3倍の分厚さになります。

仕事上、いろいろな選択肢を掲示してお客様に選んでしまうような資料を作りがちだが、情報量の多い資料は責任逃れといわれるとその通りで、情報を絞って「こうすべき」と言いきれるようにすることが大切と感じる。

限られた時間内に良質のインプットをするコツがあります。その分野の本で自分が読みやすいと感じたものを3冊だけ買います。3冊の内訳は「好きな著者」「嫌いな著者」「初めての著者」がオススメです。

同じ分野の複数の本を読むということ他の読書本でもよく書かれている。この本では著者によって選ぶという視点も追加。

速読術として僕が辿り着いたある結論があります。それはゆっくり読むようにすると、結果として速く読めるようになるということです。「速く読まなくてはいけない」と焦ると、内容が頭に入らない上に遅くなります。

数をこなしていきながら様々なジャンルの知識が身についてくると、否が応でも読むスピードは速くなります。

別に速読しようとしなくてもよいと書いてくれていて、安心する。

1しか気づけない人と100気づける人とでは、読む本の値打ちがまるで違ってきます。気づく力は、その人が背負っているリスクに比例します。リスクとは当事者意識のことです。会社という組織では、当事者意識の強いもの順にポジションが高く給料も高いのです。

企画を考えることがすべてのビジネスパーソンの仕事です。企画室や経営戦略室に配属されている人たちだけが企画を考えている会社は潰れます。伸びている会社は、総務部も人事部も経理部も全員企画を毎日考えています。社長や役員や管理職だけが企画を考えている会社は潰れます。伸びている会社は正社員だけではなく、パートタイムやアルバイトで働いている人たちも毎日企画を考えています。

本気で本質を衝く能力を磨きたいのであれば、すべてにおいて当事者意識を持って考える癖をつけることです。

このあたりの文章は、Customer Obsession や、Ownership のことが書いてあるなと読んでいて感じた。

じっと待っているのと、試行錯誤を繰り返しながら前進するのとでは、雲泥の差です。夢の実現に必要なことは才能でも運でもありません。チャンスが到来したときにモタモタして遅刻しないことです。

これは Bias for Action。