読書メモ: マンガでぐっすり! スタンフォード式 最高の睡眠

読書のコツとして同じカテゴリの本を複数まとめて読むと良いとされている。先日読んだ睡眠の本「睡眠こそ最強の解決策である」がとても良かったので、睡眠カテゴリの本を読もうと思い、レビューが多い「スタンフォード式 最高の睡眠」という本のマンガ版に手を出してみた。

192 ページ、平均読書時間は 1 時間 31 分の本。自分の場合は 2 時間くらい。

全体的な感想

睡眠こそ最強の解決策である」は睡眠の重要性を科学的に説明することに主眼を置いており、とても良い本であったが、具体的な睡眠の改善方法についても記載は多くなかった。この本は具体的な睡眠の改善方法のほうに焦点を宛てて書かれている点が良い。寝るときに靴下を履かないなど、具体的に実践しやすいことが書かれている。マンガであるためで本編では違うかも知れないが、睡眠についての科学的な説明は浅めに感じた。「睡眠こそ最強の解決策である」では 8 時間睡眠の重要性や、レム睡眠が多い明け方の睡眠の重要性を解いているが、この本では「黄金の 90 分」として最初の 90 分のノンレム睡眠を重要としており、睡眠時間の長さよりも質が重要であるとするなど、一部の主張では対立するところもあると感じた。「睡眠こそ最強の解決策である」のほうが説明が丁寧だったこともあり正しそうな気がするが、この本はより具体的に実行可能であることを重視した主張をしているのだと思う。

3 つのポイントに要約

  • 睡眠の効果は「脳と体の休息」「記憶の整理」「ホルモンバランスの調整」「免疫力の向上」「脳の老廃物の除去」の 5 つ。
  • 睡眠の長さよりも質が重要であり、質を高めるためには、眠りはじめの最初のノンレム睡眠「黄金の 90 分」がとても重要である。
  • 睡眠の質を高めるためには、体温のコントロールが重要であり、入眠に向けての深部体温の低下を促進するようにする必要がある。

気になった部分の引用

じつは「長く眠ること=良い睡眠」というわけではありません。今の睡眠時間を増やせないのであれば、その質を高めることで「日中眠たい」「朝、目覚めが悪い」といった悩みを解消していきましょう。そのための現実的な解決策を本書では提案していきたいと思います。

私は「睡眠負債の解消のために、より長く眠ってください」などと単純な話で終わらせるつもりはありません。実際問題として「毎日の7時間睡眠」を確保することがとても難しいから、あなたは今、この本を手に取っている。そうではないでしょうか。

睡眠時間を増やすのは簡単ではないので、質を高めるという現実的な方向に沿った主張がこの本ではされている。

たとえば睡眠を制限したとき、食欲を抑制するホルモン「レプチン」が減り、反対に食欲を増すホルモン「グレリン」が増加することは前述のとおり。その結果、食べすぎて肥満を招くことになるのですが、肥満に限らず「睡眠が足りない」と、ホルモン分泌が乱れることで思わぬ健康被害を招きかねません。

睡眠不足が肥満に繋がる点については「睡眠こそ最強の解決策である」でも述べられており、ちょうど今ダイエットに取り組んでいて実感しているところ。

「6時間睡眠の人」と「8時間睡眠の人」を比較した場合、眠り始めの質によっては「6時間睡眠の人」のほうがぐっすり眠れ、覚醒後もすっきりしていることがありえるのです。

この本では 6 時間睡眠でも、睡眠の質が高ければ問題ないと主張しているが、本当にそうなのだろうか。「睡眠こそ最強の解決策である」では 6 時間睡眠は睡眠不足とされており、質についての議論はなかった。

0.5℃あがった「深部体温」が元に戻るまでに要する時間は約90分。入浴前よりもさらに下がっていくのはそれからです。つまり、寝る90分前に入浴をすませておけば、寝る頃には深部体温がぐっと下がって皮膚温度との差も縮まり、スムーズに入眠できることになります。

スムーズに寝るために最も効果的な方法として入浴があげられている。確かに、最近は子どもを風呂に入れて寝かしつけるという毎日のルーティンがちょうどこのとおりの時間になっており、自分も子どもも寝付きはスムーズである。

また体温を動かす他のスイッチとしては、入眠前の軽い運動という方法も想定されます。ただし、過度な運動は交感神経が刺激されるので入眠には不向き。脳は活性化し目が冴えてしまいます。

以前、寝る前にジョギングをしていた時期もあったが、最近は朝にジョギングをしている。これも睡眠の質を高めるための習慣としては適切であった。

入眠に必須の「熱放散」を促す“入浴以外の方法”も紹介したいと思います。それは「靴下を履かない」ことと、「枕で頭を冷やす」という2つです。

靴下は履いていないが、枕については気にしたことがなかったので、取り入れてみたい。

そして、お酒も適量であればギャバの効果を強め、入眠をうながします。

良質な睡眠のためには、日本酒換算で1〜1.5合(ビールならショート缶1本)が適量です。1合程度なら、寝る100分前に飲むと寝つきが良くなり、翌日のコンディションも妨げられないと報告されています。

最近はお酒を飲まないので関係ないけれども、「睡眠こそ最強の解決策である」ではお酒は明確に良くないとされていたので、違う主張だなと思ったところ。